例をあげましょう。
まどかなる月はいでつつ空ひくく近江のうみに光うつろふ (斎藤茂吉)上の歌は、「まどかなる/月はいでつつ/空ひくく/近江のうみに/光うつろふ」というふうに、五-七-五-七-七のかたちにおさまっていますね。これが短歌の定型です。
しかし「定型」におさまったものだけが短歌というわけではありません。つまり「非定型」の短歌というものもあります。
父よあなたは弱かつたから生きのびて昭和二十年春の侘助 (塚本邦雄)この歌は定型で句切ることができません。試しに定型で句切ってみると、「父よあな/たは弱かつ /たから生き/のびて昭和二/十年春の/……」となり、おかしくなります。
この歌の句切り方は、次のようになるでしょう。
「父よあなたは/弱かつたから/生きのびて/昭和二十年/春の侘助」
短歌とは規則である定型と(人の心の在りようである)非定型とが相互に引力のような力で作用つつ、あらわれた言葉の連なりと考えることができるでしょう。
長くなりました。
この短歌というものを日夜作っている人々がいます。そしてそんな人々が集まる結社という組織が日本には多くの数あり、この結社は結社誌というものを発行しています。
もちろん結社誌には短歌が載っています。
「短歌人会」は、数ある短歌結社のひとつであり、「短歌人」は短歌人会の発行する結社誌です。
このブログは、「短歌人」に掲載された歌をつらつらと読んで、勝手に感想などを書いてゆくブログです。
ご興味のある方、ぜひぜひ、よろしくお願いいたします。
はじめまして
返信削除一気に読ませていただきました。
実は今日、短歌人の見本がほしいと、連絡を入れたところです。
そして、短歌・ブログ でググって、こちらにたどり着きました。
面白いですねえ。深いですね。
こうやって読むのか。と思いました。
また、楽しみにしています。
ポンポンダリアさん
返信削除はじめまして。
コメントありがとうございます。
短歌人はおすすめの結社です。
と中の人が言ってもしょうがないので、じっくり見本誌を読んで考えてくださいね。
歌会へも出ると、雰囲気がわかると思います。
「面白い」というのが、一番うれしいです。
不定期の更新ですが、よろしくお願いします。